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<白夜の色彩設計>

犬夜叉とかごめの容姿は、やや彩度の低い赤と緑を基調とした補色関係で成り立っている。

「補色」とは、マンセル色環(色相の総体をドーナツ状に並べたもの)上のある特定の色から見て、反対側に位置する色のことである。

かごめのセーラー服がやや彩度を落とした緑色という個性的なカラーに設定されているのは、犬夜叉が常に彼女を背負って移動するストーリーの都合上、彼女の制服が一般的なカラー(ネイビーや黒)だと画面の印象が一気に沈んでしまうからである。かごめのセーラー服が緑色であるおかげで犬夜叉の赤が引き立ち、画面が華やかになる。

しかし、補色は互いの色を最も目立たせる配色ではあるが、ともすれば目を疲れさせ、不快感を与える配色でもある。それを防いでいるのは、犬夜叉の髪とかごめのセーラー服の上着や靴下に使用されている白色だ。この色がある種の緩衝材となり、色の衝突を巧みに回避させている。

さらに、かごめのセーラー服のタイに赤色を使用することにより、彼女単体でもキャラクターが立つように工夫されている。この配色は、かごめが単に犬夜叉に「守ってもらうだけのヒロイン」ではなく、自ら弓を引き絞って悪と戦う「自立した強い女性」であることを暗示している。

いわゆる「クリスマスカラー」として我々に親しまれている赤と緑の補色関係は、お互いの短所を補いあい、長所を高めあう彼らの関係性を示唆している。

一方、奈落と白夜の容姿は寒色を基調とした色彩設計となっている。両者を並べて比較してみると、配色の比率が酷似している。

彼らの配色は、ドミナントカラーと呼ばれるものである。「ドミナントカラー」とは、類似した色相のなかでトーン(色調)を変化させる配色のことで、統一感があり、色のもつ印象を強く与えられる。

彼らの場合、彩度の低い水色を基調に濃紺や灰色等の同系色を与えられている。この色調は統一感を持って二人の衣服を彩っており、一見すると見間違うかのようだ。

 

そして、一部にアクセントカラーとして補色にあたる黄色系の色相があしらわれている。これが全体を引き締める役割を担っているのである。しかし、彩度の統一は色彩の統一感を作り出すことには成功しているが、それだけでは鈍く、ポイントに欠ける。

 

そこで二人の着物の模様や小物など、小面積で高彩度の赤と紫があしらわれているのである。

二人の衣装の色相による近似性は、同時に二人の類似性をも表現しており、二人がいかに同一の存在であるかを如実に示しているといえよう。

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