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胡蝶の夢
夢幻の白夜考察サイト
<白夜の本質>
私は、かごめを斬り付ける際の白夜の表情にぞっとした。「使命を完遂するのだ」と決意の表情を浮かべるのでも、己の状況に切羽詰った恐怖の形相を浮かべるのでもない。あらゆる感情が抜け落ちた「無表情」だったからである。寧ろ「無表情」であることで、あのシーンは、却って凄みが増したように思われる。アニメ版ではこの点が顕著で、かごめを斬るときはおろか、犬夜叉の冥道残月破で斬られたときも、「無表情」を崩さなかった。
白夜の表情と言われて真っ先に思い浮かぶのは、あの冷笑的な「薄ら笑い」であろう。例え自らの命に危機が迫った状況だとしても、彼はあまりその笑みを崩さない。邪悪さよりも、却って甘美さすら漂わせる、あの微笑み。
殺生丸が爆砕牙を解禁したことを悟った時点で、皆の知る「彼」はもうそこにはいなかった。目が据わり、顔面にはしるヒビに少しも動じず、「役目を果たす時が来た」と淡々と語る白夜(完結編24話)。元々表情豊かなキャラクターというわけではなかったが、あの瞬間から、彼が我々の知る白夜とは「全くの別人」に変わってしまったように感じられた。
恐らく白夜は、奈落が四魂の玉と一体化したあの瞬間(55巻)に、「自分の役目」を悟ったのだろう。奈落と白夜の身体がつながっている以上、白夜の身にも四魂の玉の力が及んでいるはずだからだ。
冥動残月破の妖力を写し取るときですら、奈落の目的を理解していなかった白夜。その「彼」はもういなかった。彼から飄々とした言動というベールを剥いだら、そこにはもう何も残らないのだ。これが彼の本質だったのではないか。
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